未だに看護師全体の5%しかいないと言われている男性看護師。当サイトは、そうした男性看護師同士のコミュニケーションを促進させる目的で立ち上げたものですが、2011年3月11日に発生した震災を受け、「災害や救急救命現場で、男性ならではの特性を活かした貢献ができないものか」と思い悩み、全面リニューアルに近い形で再出発させたものです。そこで、岩手の震災復興の現状などと共に、救急看護師やオペ室看護師、災害拠点病院での勤務の実態など、男性看護師ならではの働き方を提案できるコンテンツを追加。併せて、もとから需要の高かった、精神科や整形外科での就業に向けた情報提供コンテンツも拡充させました。岩手県内で、男性看護師が活躍できる職場を見つけるための求人情報なども提供していますので、是非とも当サイトを参考に転職活動をスタートさせて下さい。
救命救急センター等で必要とされるものは、まず第一に体力。次いで、緊急時の判断力でしょう。体力については、言うまでもありませんが、論理的な判断能力の一部を構成する数理処理能力のテストでは、調査対象63ヵ国の中、カタールを除く全ての国で男性が女性を上回っていました。災害現場などでは、看護師がトリアージの補助を行うこともありますので、優先順位を瞬時に判断する処理能力が問われるのです。こうした点を考慮すると、男性は救急看護師への適性が高いといえそうですね。
手術の流れを理解し、手順を先読みして器具を渡していく“器材出し”など、病棟看護師とは異なる仕事が要求されるオペ室勤務。特に“器材出し”に関しては覚えることが多く、ハサミ1つにしても、クーパーやメッツェン、勅剪など複数の種類があります。この中から、手術手順に合ったものを看護師の判断で執刀医に手渡さなければいけませんので、論理的な思考力が問われます。時には4~5時間もかかる大手術にも立ち会いますから、体力的に勝る男性看護師が活躍するチャンスです。
災害医療に携わりたいなら、DMAT(災害医療チーム)の隊員看護師を目指すのも良いと思います。災害時に素早く動き出せるのは、やはり体力に勝る男性でしょう。また、DMATとまではいかないにしても、災害発生時には重症患者さんを運んだり、倒れた重量物を片付けたりするための男手が必要。災害拠点病院では、そういった災害時に役立つ医療、看護のスキルを身につけることが可能です。万が一の時、助ける側に回るため、災害拠点病院の求人を探してみませんか?
看護師の体力を消耗させる元凶とされる夜勤ですが、男性の体力を持ってすればこなせるはず。特に若い男性で「多少の徹夜は問題ない」という方は、率先して夜勤に就いて下さい。既婚女性は育児などの都合で夜勤を避けたいはずですから、男性が夜勤専従として入職すれば喜ばれること請け合い。周りから感謝されること間違いなしです。当然、夜勤手当で給与面の満足度も確実に上がるでしょう。
不穏状態の患者さんに対応する場合、女性だけでは不安なはず。男性看護師が何人かいれば、不穏やせん妄状態の患者さんに適切な処置を施すことが可能です。また、震災によるPTSDのケアが必要な今、精神科の人手は多ければ多いほど良いでしょう。PTSDの対処方法についても紹介していますので、是非ともご覧ください。条件の良い精神科看護師の求人を見つけるための秘策もお伝えします。
精神科に次いで、体力に勝る男性看護師の必要性が強く訴えられているが整形外科。また、震災時の初動治療では、整形外科が全体の83%を占めたというデータもあるほど、災害医療の要となるのがこの診療科。責任重大ですが、その分やりがいのある職場でしょう。感染症を防ぐには8時間以内に手術を終える必要があるため、緊急手術になりがちな整形外科ですが、だからこそ体力自慢の男性にピッタリです。
本当の意味で被災地の医療が復興するためには、病床数や医療従事者の人数を震災前の水準に戻さなくてはなりません。岩手県沿岸部の被災地、気仙、釜石、宮古、久慈医療圏を合計すると、震災によって211床もの病床が減少してしまっているのです。その分を埋めようと、県では在宅医療の充実化を図っていますが、やはり医師不足もあって充分な結果は出ていません。震災後に業務再開できずにいる医療機関も多くありますが、その理由の29%は震災による医師の死亡というもの…。さらに、医師が別の地域に移ってしまったというのも18%に上ります。これらを合計すると実に47%、およそ半分の医療機関が医師不足によって満足な医療を提供できていない計算になります。また、被災地の医師を対象に日医総研が実施したアンケートによれば、震災後に仕事量が増加したと回答している方は32.6%。実に3人に1人が人材不足で仕事をこなすのが難しいと考えているのです。
もちろん、不足しているのは医師だけではありません。看護師不足だって同じように深刻なのです。医療機関が機能不全を起こしていることはニュースなどでも報道されており、そのために患者自ら気を遣って受診を控えてしまう“受診抑制”が問題視されています。こういった震災に端を発する諸問題を解決していくためには、せめて震災前の状態まで増床していくことが必要なのですが、そのためには配置基準を満たせるだけの看護師が必須。可能なら7:1、せめて10:1の基準くらいは満たさなければ、診療報酬の低下で病院の運営そのものに暗雲が立ちこめますし、充分な看護を行うことも難しくなってしまいます。実際、被災地の医療機関の経営者を対象としたアンケートでは、69.1%の方が看護師などのコメディカルスタッフが不足していると回答しており、この傾向は特に内科、精神科、外科、小児科などで顕著なようです。被災地である岩手の医療復興をスピードアップするためには、看護師の増加が必須なのです。
故郷を救えるかどうかは、被災地となった岩手県に生きる看護師1人ひとりの双肩にかかっていると言っても過言ではないでしょう。岩手が元の姿を取り戻し、あの震災を乗り越え、いつか大きな発展を遂げていく…。そんな未来を作るための礎として、あなたの力を貸して貰えませんか?壊滅的な被害を受けた岩手県ですが、1歩ずつ確実に進んでいけば、いつか必ず復興を成し遂げられるはずです。